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IT営業マンが人生を賭けて税理士に転身した結果

光の中の最終決戦 第68回税理士試験レポート 相続税法

さて、(最後の)戦いを終えて参りました。今年もやります、本試験レポート。

奇しくも会場は、前回官報を賭けた第67回と同じ場所。去年の雪辱戦とも言える今回の本試験。

 

今年は本当に苦しい戦いでした。去年に双子が産まれ、3児の父となって初めての年度(去年は本試験までは実家に帰ってもらってた)。

勉強時間は圧倒的に足りず、成績は伸び悩み、7月前半までは真剣に相続税法からの撤退を考えました(もちろん税理士試験からの撤退は考えていませんでしたが、ここまできてラスト1科目が長期化したらどうしようとは思っていました)。

しかし、7月も後半、なんとか時間を捻出して理論を回したのが功を制し、直前予想模擬試験は3回とも上位数パーセントに入れたおかげで、比較的良い精神状態で本番を迎えることができたと思います。

 

前日、前々日と、肉を喰らい、迎えた本試験。

一応月火も仕事は休みにしていましたが、割と時間には余裕がありました。やはり今まで複数科目受験だったので、家族に実家に帰ってもらうのも、娘の幼稚園が夏休みに入ってからの2週間で、十分足りた感じです。まぁ、それまでヒーヒー言ってましたけど…。

 

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当日はいつもくらいの時間に起床し、すぐに出発しましたが、会場が遠いので到着は1時間前くらい。適当に過ごして、早めに着席しました。

心のコントロールは十分にしてきたつもりでしたが、これで最後かもしれないと思うとやけに緊張し、また去年の失敗を思い出したりで、なかなか落ち着きませんでした。

 

そして試験開始。

 

まずは理論をざっと見。まさかの改正論点パレード。

そして、問題を見てすぐに気付きました。これは、信託の受託者が課税されるパターンを書けば、母集団と差がつけられるのでは?!しかし僕は計算からと決めているので、まずは計算から解きます。70分で理論に移ることを誓って…。

 

計算の方は、全体の感想としては、基本的な問題ではあるものの、微妙に王道とずらしたところを聞いてくる問題だなと感じました。ボーダーが40以下なのはそのせいなのかな。

去年の問題は自分の知識をアピールできる部分が全然なく、シンプルに計算ミスと時間配分のミスで沈んだ感があったので、今回、色んな箇所で、模試では書かなかったようなコメントを付しました。

 

上場株式は、課税日が基準日前なので配当期待権は評価しないとか、非上場株式の評価において、半年以内に支払い期限の到来する受取手形は割引料を考慮しないとか。

あと、小規模宅地等の特例について、配偶者は特例を受けないという注意書きを見逃したので普通に間違えてしまいましたが、貸付事業用宅地は問題の不備だと思いました。構築物の敷地の用に供されているかどうかが明らかでなかったからです。

でも、どうせ後順位なので、計算しとく方が得だと判断し、宅地Iは構築物の敷地の用に供されていることを前提とするというコメントを付しました。これは加点されてもいいんじゃないでしょうか。

 

そんなことをしているうちに、若干ながら時間が押していることに気付きます。直前期は、答案の作り方を雑にしていたのはあるものの、目標時間が85分の問題でも、70分で解答するようにしていたので、今回の問題にしては、時間がかかりすぎかなという感じでした。

しかし、ミスを恐れて慎重になってしまったことと緊張によって、どうしてもスピードを上げることはできませんでした。

途中で書くスピードを上げようと試みたのですが、一定のスピードを超えると心臓に負荷がかかるような感覚になったので、やめました。これは本試験特有の緊張感からくる、独特の感覚だったのだと思います。

 

結果、計算が70分を超えてしまったので、最終値まで求めることはできませんでした。

相続税の総額まではなんとか出したので、配偶者と加算対象者だけ税額を出して、配偶者の税額が0であることと、加算の計算は書きましたし、各種税額控除も控除額は埋めました。

配偶者の税額軽減も、計算式を書く時間はありませんでしたが、貪欲に、課税価格が明らかに法定相続分以下とかのコメントを付して、とりあえず金額だけは書きました。

 

解答復元の結果、明らかになったのは、転換社債は計算方法を知らなかったので仕方ないとは言え、前述した通り、配偶者も小規模宅地等の特例の対象に入れてしまったこと、課税価格の計算に一部の財産を入れ忘れていたこと、贈与税額控除で、最後だったので焦って非対象者まで税額控除してしまうというミスを犯していました。

配偶者を小規模宅地等の特例対象者にしてしまったのは痛かったですが、2つのケアレスミスは、あまり得点に影響しなさそうなのが救いでした。

 

大原採点では計算は43点でした。書き間違いとかしていなければですが…。

 

続いては理論です。

結局70分を少し超えてしまい、73分くらいで理論に移行し、まずは優先度の高いものから埋めることにしました。

 

先に問2。各宅地等の要件を書くのは明らかでしたが、そもそもの小規模宅地等の特例の適用要件を書くべきなのかは、少し迷いました。

が、特定居住用宅地等、貸付宅地等の適用要件と言っているので、結局書きませんでした。

問2についてはほぼ完答できたと思います。大原の理論はカッコ書きや注意書きが複雑になっていますが、これも間違いなく書けたとは思います。

 

そして、問1。まずは概要にて該当する規定を列挙し、本文を書き始めます。

ここでも姑息に知識をアピールしたかった僕は、認定医療法人が個人とみなされる場合は贈与税に限るので、該当しない。なんていうコメントを付したのですが、後で調べたらこれは措置法でした。多分減点はされないだろうし、まぁいいかという感じです。

 

そして、時間はあまり覚えていませんが、とにかくかなりリミットが迫っていたので、フル解答はできないと考え、優先順位をつけることにしました。

 

まずは信託以外の要件を書き、次に附則を書いて、信託はその後にすることにしました。

さすがに皆、附則までは書くはずなので、信託を書いているうちにリミットになったら不利になると判断したからです。

ちなみに、納税義務の附則はまとめて1つにしてしまったりしましたが、この辺はテキスト通りに書いてないので減点はされるかもしれません。

結局、特定一般社団法人周りの意義以外の規定は一通り書いたので、ついに残り5分くらいで信託についても書くことにしました。

大原の解答では意義の部分も解答範囲に含まれていましたが、問題の趣旨的には意義を書くよりも信託の方を選んだことに後悔はありません。

最後には附則のところに信託のことも書き足して、ほぼそれで終了の合図になりました。

 

速報によると、TAC解答では満点解答でしたが、附則はまとめ書き等しているので、減点は覚悟しておきます。

ただし、TAC解答だとまさかの合格確実+14。大原解答でも合格確実+3だったので、多少の減点は大丈夫かなと思います。

よっぽどの書き間違いをしていなければ受かるような気はしていますが、これでダメだったら心が折れるかもしれないので、とにかく発表まではドキドキなのですが、ひとまず肩の荷はおりたかなという心境です。