青侍が生く!

IT営業マンが人生を賭けて税理士に転身した結果

官報合格を目指すなら最初に選択すべき税法科目は必須科目(法人or所得)にすべきだと思う3つの理由

平成26年9月。

第65回税理士本試験に向けた講義がスタートします。

僕はまず大原に受講相談をしに行きました。

 

■受講科目の選択 

約1ヶ月必死で簿記論を勉強したことにより、変な自信をつけていた僕。しかし、理論の勉強の仕方については皆目見当もつかなかったので、学校のカリキュラムに沿って勉強をするしかありません。そこで僕は次のような考えに至りました。

 

『財務諸表論論の講義は間違いなく9月から講義を受講したい。でも、簿記論については万が一にも受かっているかもしれないし、不合格だとしても、このまま独学でできるんじゃないか?

だとしたら、早急に実務を覚える為にも、法人税法を勉強したい。なにせ、今は別表の読み方などさっぱりだし、法人税法は合格まで何年もかかるというのが専らの噂。

ならば、簿記論の初学コースにかけるコストを法人税法に回して、最初から2ヶ年計画で合格を目指すというのはどうだろうか??』

 

そんなわけで、受講相談で財務諸表論と法人税法を受講したいと言ったら、最初はめちゃくちゃ反対されました。

専念でも簿財法の3科目は相当大変だし、簿記論も、これまでに独学で勉強したとは言え、そのまま独学を貫くのは厳しく、せめて合否発表後には、講義を受けた方が良いと言われました。

ただ、実務を覚えたいということや、流石に法人税法を一発で受かることは考えておらず、あくまで第65回の突破目標は簿財であることを伝えたところ、それならばと納得してもらえた次第です。

 

初年度から法人税法を勉強することを押し通した理由として、やはりこれが純粋な初年度というわけではなく、それまでの約1年半、見当外れな勉強方法によって、いたずらに時間を浪費したという思いが大きかったと思います。

通学は初年度でも、実質は第65回税理士試験は3回目の挑戦。簿財だけでは納得できないという焦りがあったのです。

結局僕は、大原の通学初年度は財務諸表論と法人税法を受講することになりました。

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ちなみにこの後、法人税法については毎回きっちり出席していたにも関わらず、上位8割9割ラインを爆走。

財務諸表論も、年内は全く理論が書けず、実判直前あたりでようやく3割ラインに乗る程度の実力しかなかったわけですが…。

まぁこの辺りはそのうちじっくり記事にしていきます。

 

■直前期における簿記論の受講追加

そして、簿記論については結局直前対策コースから受講することになります。

 f:id:Yo-ten:20160920134734j:image

この辺についてもそのうち書きたいと思います。

 

この年は5月から8月まで仕事を週3日にしてもらい、月木土が大原、火水金が仕事とかの状況で、結構大変でした。 

 

■通学初年度から法人税法を受講したことについて

さて、ではそこまで無理をして初年度からいきなり受けた法人税法については後悔していないか?

僕はこれについてはむしろファインプレーだったとすら考えています。

 

初年度から3科目の同時勉強というのは確かにしんどかったですが、結果論だけで言えば、第65回税理士本試験で簿財は突破することができたので、目標は達成した上で、続く第2年度に法人税法をすでに学習しているというアドバンテージを持ち越すことができました。

また実務的にも、法人税法の勉強は早期の確定申告書の理解に繋がったと思います。

 

しかし、1年で3科目も頑張るなら、簿財プラスミニ税法という選択肢もあるはずです。

それなら、2ヶ年計画とかいうしゃらくせぇことはせずに、3科目取りも狙えたかもしれません。

 

だがそれはどうだろう。

 

初年度は法人税法を下位爆走していた僕が、仮に消費税法なら、簿財をやりながら初年度からいきなり合格レベルに持っていけただろうか?

他のミニ税法はやったことないのですんません、わかりません。

そう考えると初年度の僕には2科目取りが限界だったように感じます。

むしろ、第2年度スタート時点において、最もボリュームの多い法人税法を、すでに一巡勉強しているということに、大いな価値があるのではないかと思いました。

 

と、言うのも僕は、最初から院免除を狙うなら別にして、官報合格を目指すのであれば、最初に選択すべき税法科目(一般的には簿財に続く3科目目)は、必須科目である法人税法又は所得税法なのではないかと考えているからです。

 

あ、一応今回はその話です。

相変わらず前フリは長いよ!

 

■最初に必須税法を選択すべきである理由

あくまで、僕には3科目も同時に合格する程の実力はないという前提で話を進めます。

 

だって3科目受かるならそっちの方がいいじゃんね。

 

専念でない環境で3科目同時合格というのは、かなりレベルの高い所業だと僕は考えています。もちろんそれをやり遂げる人もいます。でも僕はもう少し現実的なラインで考えたいと思います。

と、いうのも僕はこの税理士試験は制度の仕組み上、リソース配分勝負の試験だと思っているからです。一度に数科目受ける人もいれば、1科目ずつ確実に狙ってくる人もいます。その中で数科目受験をするというのは、自分の力量を見誤れば、大変悲惨なことになります。どの科目を受けるのかの選択は、非常にシビアな判断が必要であると言えます。

なので、この考え方をオススメしたいのは、僕と同じように、まずは簿財と考えている方。優先すべきは簿財だけど、税法も勉強を始めたいという方です。最初から3科目一発合格を目指す方は、簿財にくっつけるのはミニ税法の方が妥当でしょう。

 

以上の前提で、なぜ最初の税法は法人or所得がいいと思うのか。

理由は下記の通りです。

 

①税法ショックを早い段階で経験できる

いきなりなんなの?税法ショックって何?

 

はい。

 

あれです、又の名を会計科目で燃え尽きる症候群とも言います。

税理士合格の登竜門と呼ばれる簿財。でも、その簿財だって何度も心を折られるしんどさです(当人調べ)。しかしその先に待ち構えているのが税法科目。

 

ワンピースで言うところの新世界編です。

 

えっ、もう60巻出てるのにあとどんだけ続くの?!

 

そして、ポッと出の敵ですら、よもやギアサードくらい使わないと倒せないという…。

 

…。

 

ワンピースの話はもういいとして…。

 

税法で求められる暗記の精度は、財務諸表論のそれよりも高くなります。加えて、税法受験生は会計科目を乗り越えて来た人が多いので、必然的に受験生のレベルも高くなります。

会計科目は取ったけど、その後が続かずに撤退してしまった。会計科目で燃え尽きてしまったなんて言う人もざらに聞きます。

しかし、僕らの目的は税理士になることであって、会計科目に受かることではない。つまり、その先に待ち構える税法のレベルを、早めに肌で感じる必要があるのです。

 

②大は小を兼ねる的な

ではなぜ法人or所得から先にやるべきだと思うのか。ずばり、ボリュームが多いから。ついでに必須科目だからです。

税法ショックを法人or所得で受けた場合、どうなるでしょうか。まずは周りのレベルに圧倒され打ちひしがれるでしょう。僕も初年度の法人税法は、安定の下位爆走でした。

しかし、税法ショックを受けたからどうだと言うのでしょうか。それはいつかは乗り越えなければいけない壁であり、その壁を乗り越えねば官報合格は成し得ないのです。

 

それでは早い段階で、法人or所得の税法ショックを克服し、勉強スタイルを確立できたらどうなるでしょうか。

 

法人or所得よりもボリュームが少ない分、他の税法は随分楽になるはずです。さらに、残りは選択科目。自分の裁量で、ミニ税法に進むのか国税を押さえにかかるのか、決めることができるのです。

逆ならどうでしょうか。極端な話で、法人or所得を最後に持ってきた場合、面倒な科目が最後まで残っていることになります。実際やってみたらすんなりできるかもしれないのに、あの1番ボリュームが多いやつ、自分はちゃんとできるかな…。とか、いつまでも心配しなくてはならなくなります。

 

まぁもちろんボリュームが少ない税法は、法人or所得よりも精度を上げなければならなくなるのでそれはそれで大変なのですが、それも、ボリュームの多い法人or所得を先にやっておいた方が、その辺の感覚も掴みやすいというものです。

僕は、簿財を受けた1年目にすでに法人税法による税法ショックを経験していたので、2年目はかなりハイペースで法人税法を進めることができたし、そこに初学の消費税法が加わっても、なんとか回すことができました。

これは、やはり最初が法人税法だったので、消費税法の理論は簡単に思えたから、すんなり入っていけたのだと思います(消費税法の方が理論の精度を上げなければいけなかったのには苦労しましたが)。

 

まぁ色々書いたものの、これを書いている時点ではまだ法人消費の結果がでていないので、まだどうなるかはわからないですが…。

 

③実は会計科目との連携が最も深い

そして最後に挙げたいのがこれです。

どちらかというと法人税法の方が特にこれに当てはまるのですが、法人税法と会計科目との関わりはめちゃくちゃ強いです。

 

税法ルールに会計が合わせていたり、会計のルールに合わせて税法の縛りが緩和されていたり、様々です。でも根底が違います。

そもそも会計は利益が多いほどに良いですが、税法は税金が安くなるほど事業者は助かります。似ているようで全く別もの。僕は、法人税法のことを、会計科目の裏ステージと呼んでいました。

同時にやると頭の切り替えが大変というのはありますが、3科目目に選ぶのにはなかなか良い理由だと思います。

 

鉄は熱いうちに打て。

 

他の税法を挟んだ後だと、どうしても会計の感覚は抜けてしまいます。会計の感覚が抜けないうちに、法人税法に手を付けてしまうのは、大いにアリだと考えるのです。

それに、所得税法だって同じことが言えます。そもそも、会計の目的は何でしょうか(あれ、なんだっけ…)?利益と財産の計算です。

法人税法所得税法も、利益に課される税金の計算です。だから、所得税法だって当然ながら会計科目との関わりは非常に強いわけです。

 

他の税法はもはや会計とは別モノです。消費税は行為に課される税金だし、相続税は引き継ぐ財産に課される税金です。もう世界観が違います。

だからこそ、利益に課される税金の学問である、法人税法or所得税法は、会計科目とできるだけ近いタイミングで勉強しておいた方が良いと思うわけなのです。

 

え、相続税や固定資産税だって、財産の計算だから会計科目と関わりが深いんじゃないかって?

屁理屈コネてんじゃねぇ!!

 

 

うん…。まぁそんな話。

官報取ってから言えよという話ですが、通学初年度で簿財法、2年目に法消を受けてみての率直な感想を書いてみた次第です。

こんなんですが、ご参考になりましたら幸いです。