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悪夢の第66回税理士試験レポート 法人税法編

第66回税理士試験レポート後編。

今考えると、今年受けた法人消費。第66回の嵐の中心ですよね…。ネット上も荒れてます…。

と、言うわけで2日目の法人税法のレポートです。

 

僕にとって今年の法人税法は本命中の本命。去年は簿財の突破が最優先でしたが、難関である法人税法も並行して受講し、2カ年計画で今年確実に突破してやろうという算段でした(去年まぐれで受かれば超ラッキーくらいに思ってましたが、もちろんそんなに甘くはなく、答練は上位8割9割ラインを独走。去年の本試験の判定はCでした)。

なので第66回の法人税法は、僕の丸2年の集大成だったわけです。

 

その集大成の2時間が……アレ!

今回も、臨場感溢れるレポートと共にご報告させて頂きたいと思います…。

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■2日目の朝

1日目の消費税法を経ての2日目。消費税法も相当荒れてましたが、その日の心はあまり乱れていなかったと思います。後から聞いた話だと、担当講師は消費税法を受けた後の僕が不安定になっていないか相当心配だったらしいです。

ですが、僕の今年の本命は法人税法。ここで乱されてたまるかという思いで再び聖地に舞い戻ったわけです。

阪急で!

早めに出発したので会場に着いたのは7:30くらい。いや、さすがは法人税法。まだ開始1時間半前にも関わらず、会場にはすでに京都鴨川の河川敷のアベックの如く、暗唱家達が等間隔に座り込み、条文を唱えているではありませんか!そして僕も例に漏れずそれに混ざり、理論サブノートを眺めながら運命の時を待ちます。

 

法人税法もついに本番

教室に入り、試験開始10分前。まずは解答用紙が配られ、まずは内容のチェック。ここですでに異変に気づきます。理論の解答用紙が3枚しかない…。今まで大原の答練でやってきたものとは明らかに異質。でもそんなことで動じるわけにはいきません。

続いて計算の解答用紙をチェック。形式はほぼ第65回と同じ。しかし、調整項目欄には見慣れない文字がずらり…。関連者等に係る支払利子等の損金不算入額、超過利子額の損金算入額、新鉱床探鉱費又は海外新鉱床探鉱費の特別控除額 etc.etc…。

ですが、過少資本税制or過大支払利子税制が計算で出る可能性は、僕が兼ねてから予想していたことであり、また講義で一切触れられることはありませんでしたが、第65回のCランク理論の出題のトラウマから、海外投資損失引当金の論点も概要までは押さえていた僕としては、

(これはむしろ有利なのでは?)

と、あまり動揺することはありませんでした。しかし、受けた方はもうおわかりだと思いますが、この辺の論点…

 

一切問われませんでした!

なんやったん!

 

意図は全くわかりません。計算スペースが足りない調整項目まで存在した中で、マイナーな調整名を印字だけして一切問わない。問わないだけじゃなくて特にそれっぽい囮論点があったわけでもない。波乱はすでに始まっていたわけですね。

 

■試験開始!

そしていよいよ試験開始。まずは理論の問題をチェックです。

 

…。

…。

うおー!22条ばっかりやないかー!

 

来る日も来る日も…欠損、グループ法人税制、組織再編税制、公益、信託、そして繰延消費税額等に至るまで、第65回のトラウマを受けてマイナー論点まで必死に押さえていった僕の努力!

とは言え、法人税法についても僕は計算から解答することにしていたので、まずは計算に取り掛かります。

 

■計算解答中 早くも感じる異変!

そして解き始めて約10分あたりで異変を感じ始めます。なんと言いましょう、言葉には言い表し難いこのフワフワ感。ちなみに、色々言われている問題の不備ですが、僕は租税公課の不備には気付いてませんでした。ただただ、シンプルやな!おい!というのが感想です笑。

 

個別評価金銭債権の貸倒引当金計上事由の発生時期についても、何も書かれてないので勝手に当期のことだと思って進めちゃいました(本当はそんな考えじゃまずかったのか?)。

そして、貸倒引当金が貸方表記なのか借方表記なのか注記表記なのか示されていない件については、今年の試験になんらかの不備があることはある程度覚悟していたので、あのような資料の与えられ方をしているのだから、使えということだろうと判断して、使いました。控除方式だったことにしました。

 

そして減価償却。最初は前半に書いてあることだけ読んで計算していたので、後半を読んだときはぶったまげました。2〜3分は思考停止したと思います。

そして考えた末、前半部分から読み取れる内容だけで計算した分については、調整無しという結論に至っていたので、今度は後半部分の前提を使ってもう1個計算式を書いちゃおうと考えました。

しかし問題は、減価償却の調整欄のスペースがすでに無くなっていたこと。なので「続きは認容欄に記載」とコメントを付して、認容欄で計算しました。あの広い認容欄もいったい何だったのでしょう…。

ひとつ失敗だったのは、建物附属設備の計算も認容欄に書いたので、数字は合いましたが、講師曰くもしかしたら採点されないかも…ということでした。

そこは採点してくれよな!

 

■計算は結局別解が生じる問題ばかり…

あとは、特筆するとすれば譲渡損益調整資産とデリバティブ取引でしょうか。

譲渡損益調整資産については最後まで悩んだので、ひとつズルをしました。僕の結論としては、金銭の支払いもなく、未払金と未収金を相殺しているので、4億の取引は無かったことになると考え、問2は1.5億にしたので大原採点で丸々5点を落としたのですが、2.5億の譲渡損益調整勘定繰入は書いておいたので、3点は拾うことができました。

しかし、後で講師と話したことによると、今回のくらいは許されるかもしれないが、どっちのパターンも書くのは試験委員の印象が悪くなるので本当はやらない方がいいそうです。まぁ真実はなんとも言えませんが…。

あと、これ書きながら思ったのですが、未払金と未収金相殺しただけじゃ、4億の資産譲渡してんのに契約書とかはなかったことにならないよな…そうだよな…。

 

デリバティブ取引については、学校で解答が完全に分かれてしまってますが、売買目的外有価証券という言葉が登場してるので、時価ヘッジでいいんじゃないかなぁと思います。

 

■理論解答へ!

こんな感じで計算はだいたい70分強くらいで終了。理論はボリュームが少なく、事例問題と見受けられ、慎重に解答しなければならないと思っていたので、時間感覚としては丁度良いくらいでした。

 

理論の解答に入ってまずは問1のプリペイドカードの問題。これに関する通達については全く知りませんでしたが、結論としてはほぼ完答できたと思います。特例と言っても、指示内容と原則的な考え方で導けたので、助かりました。

 

そして問2。⑴は全額前払費用にしてしまいましたが、⑵は仕訳完答、論拠もだいたい合いました。⑵の仕訳は最初、一部貸借を逆にするという凡ミスで左右の金額が合っていなかったのですが、見直しで気付いて修正することができました。このあたりはボリュームが少なかったことに救われたと思います。

⑶はかなり迷いましたが、原則は月割りか日割りかあまり自信がなかったし、短期前払費用であることには気付きましたが、全額か支払額だけなのかは知らなかったのですが、短期前払費用の支払額のみで勝負することにしました。結果的にはこれはファインプレーでした。

 

結局は、終了5分〜10分前に全体としては解き終わったので、ざっと見直しをしつつ、計算の解答なんかはメモを取る余裕もありました。上記の通り、理論のケアレスミスもここで救済できたので、消費税法ケアレスミスを連発した一方、法人税法については大荒れの試験問題であった割にはミスなく走り抜いた印象です。

そういえば、理論の仕訳で「円」は書いてない気がするのですが、それはまぁいいんじゃないですかね!

 

■戦いを終えて…

自己採点の結果は大原採点で36-40-76。別解だらけの波乱の試験問題でしたが、計算の問2の5点配点は外して合格確実ライン+10なので、いくらなんでも大丈夫だろうとは思っています。

それでも12月まではわからないし、これでダメだったら流石に立ち直れないかも…。

講師も流石に受かってるだろうと言ってくれたし、何より、2年間お世話になった講師はこの本試験をもって退職されることになったので、最後に素晴らしい結果を残してくれたと言ってもらえたのが本当に嬉しかったです。

 

でもその2年の集大成がアレ…。

 

まぁいいかそれは…。

とにかく結果発表は12月。消費税法で失敗してるので、せめて法人税法はお願いしますね。まだWゲットを完全に諦めたわけではないですが。

 

そんなわけで、法人は受かっているという前提で、9月からは相続税法の勉強をスタート。消費はどうなるかわかりませんが、第67回で税理士試験は終わらせるつもりで、これから始まる最終年度を迎えたい所存です。

引き続きよろしくお願いします。