嵐の第67回税理士試験レポート 相続税法編
お待たせしました。相続税編です。
初日、消費税法で異常なほど消耗していた僕は、帰りの電車で間違えて快速に乗ってしまい、さらにその後は戻らなきゃ行けないのにさらに家から遠のく電車に乗ってしまい、自分が思っている以上に疲れていることを実感しました。
最後のあがきにやったことと言えば、せいぜい理論をざっくり見直したくらいでしょうか。
相続税に関しては一緒に受ける人もいないので、とにかくいつものように、ルーティンをこなしていきます。朝起きぬけにレッドブルを飲んで、シャワーして、駅に着いたらセブンカフェ。
唯一いつもと違ったのは、ついに音楽を解放したことくらいでしょうか。徒歩移動中は爆音で音楽を聴いてテンションを上げて行きました。
でも緊張してお昼のカツサンドはちょっぴり吐きました。飲み込んだけど。
そして始まる最終戦。
まずは黒板を見てギョッとします。
理論6枚はわかる。計算12枚。
12枚?!今まで当年贈与税の計算をしても7〜8枚じゃなかったっけ?
そして、今年は試験委員が代わって難しくするという噂があったことを思い出しました。まさか、小問?!納税猶予や延納が頭をよぎります。まぁ、合ってませんでしたが、合ってました笑。
そして配られる解答用紙。
ドキドキしながら計算の解答用紙をチェック。
普通やんけ!
こんな感じでスタートしました。
まずはざっくり理論をチェック。まさかのドSランク理論。
ちなみに最初は延納と国等への贈与かと思ってました。あまり詳しくは見ないので。今思えば、もっとよく見て計算をいつもより早く切り上げるのが正解だったかも。
理論はさらっと見て、計算に移ります。そして解き進めるごとに明らかな違和感に気付きます。
実は今は年内で俺は基礎完成確認テストを受けているのか?!そして、はっきりと、最も恐れていた事態が脳裏をよぎりました。
ノーミス満点バトル。
この試験を受かり抜くには、納付税額を取りに行かねばならない…。その緊張感が、計算で70分も費やすことになってしまったのかも。
後述しますが、初っ端で洒落にならないミスを犯しているので、言ってみりゃ最初から納付税額は外してるので、もっと気楽にやれば良かったです。
あと、1個どうしても悩んだ論点がありました。年金未収金は、普通に考えたら相続財産にはならないのですが、請求したとか、権利とかの言葉が出てこないのがひっかかり、権利ではなく単なる未収金であるから〜うんぬんとか、変なコメントまで付けて相続財産にしてしまいました。悩んだときはストレートな方を取るのが鉄則なのにね…。
こうして、満点バトルの計算を慎重にやりすぎて、70分かかってしまいましたが、そこから理論に移行。
そして、じっくり理論を読んでやっと全貌を理解しました。延納だけでなく物納も範囲になっていること、納税猶予の計算も出ていること。そこで、問2を先にやって、残された時間の限り、とにかく問1を書く方針に決め、まずは問2を攻めます。
特定贈与者と経営承継受贈者の意義がでたことには面食らいました。法人ならそこまでやっていたし、経験ならそこまで押さえていったのでしょうが、今年はそこまでやってませんでした。多分内容解説ページには載ってたんだろうな。
とりあえず要件規定のベタだけ書いて、あとは適当に作文。作文は大して当たってませんでした。税額計算は、精算課税の方はすっ飛ばしましたが、通常の贈与は正解。
そして最後、延納物納。
多分、この時点でラスト20分くらい。
割とキツい時間配分でした。
しかも、問題文により、確実に除外するべき規定はわかるが、除外すべきかどうかわからない規定がいくつかある中で、規定の取捨選択は命懸けでした。
後半、書きたい規定を全部書ききれないことが確実となったあたりからは、せめて少しでも早く書きたいのに、手は震え出すし、あの時の精神状態はあまり思い出したくありません。
結局、最後の方はちょっと文章も崩れ始めたあたりで終了の合図があり、いっそ怒られるまで書き続けてやろうかと思いましたが、それが選択範囲として合っているのかも曖昧だったのでやめました。
こうして最終決戦(仮)は幕を閉じました。
帰り、家族に電話しながら繰り返していた言葉は、とにかく相性の悪い試験だったということ。
問題が難しいほど上位にランクインしていた僕としては、今回の本試験は難問になることを祈っていました。まさかこんな問題が出るとは…。
帰りに携帯で調べて、国民年金の未収金は相続財産でないことが確実になったところで、1ミスは確定となりげんなりしていたのですが、本当に、家に着く直前にさらに恐ろしいミスをしていたことに気付きます。
建物の賃借率は計算していたのに、土地に賃借率を掛けるのをすっかり忘れていたのです。しかも、そうなると、小規模宅地等の判定も丸は期待できない…。
なぜそのことを明確に思い出したかというと、1-0.7×0.3を書いた記憶がないことと、小規模宅地等の判定の際、駐車場と順位が同じになっていたからです。
せめて、順位が同じになった時点で気付くべきでした。本試験の魔物は、こんな所で僕を狩ろうとしていたのです。
致命的なミスにすっかり意気消沈し、あまり期待はしていませんでしたが、速報によると、不幸中の幸いにもこれ以外には計算のミスはなく、延納物納で手を震わせながら挙げた規定は、大原と過不足なく一致していました。
速報の結果は、
大原 ボーダー+3
TAC ボーダー+5
消費と合わせて、今年の官報も、今年ゼロ科目も、どちらもあり得るなんともしんどい結果となりました。
変なミスさえしなければ確実ラインに乗れるのに…というのはきっと誰もがそうだと思いますから、きっとそれも実力なのでしょう。嫌なミスをしてもなんとかボーダーに居られることには感謝をせねばなりません。
相続については手を震わせてミミズのような字で書いた理論で減点を食らわないことと、消費についてはキモ論点を正解したことに対する傾斜がかかることを、祈る限りです。
嵐の第67回税理士試験レポート 消費税編
未だにアクセスが多い本試験レポート。今年もやります。題して嵐の中の最終決戦編。
すごくどうでもいい発表ですが、今年の本試験は本当の嵐が来たので、去年の本試験レポートのタイトルを「嵐の」から「悪夢の」に変えました。うん、意味は同じだよ。「地獄の」でもいいよ。去年の法人消費は本当に最悪だったよ。
さて、今年の戦地は大阪産業大学。どうして同志社は毎年固定なのに税法組は毎年変わるのかしら!
去年、翌日朝一の心配をして早く現地入りし過ぎて、本試験までに疲れ切ってしまった反省を活かし、今年は普通に昼過ぎに行きました。
そして、直前のインプットよりも当日のケアレスミスの撲滅を重要視し、とにかくリラックスすることを今年のテーマとしていた僕は、現地入り後は受験仲間とくっちゃべる事にしました。今まで受験仲間など1人も居なかった僕としては随分進歩したと言えます。
結論としては、この一連の動きがリラックスに繋がったことはあったとしても、悪影響を与えることは無かったと言えます。
後述のとおり、今年も痛いミスはしてしまいましたが、それは直前に何か見たところでどうにかなったものとは到底思えません。本当の直前のあがきなんてそんなもんよ。やるべきことはそれまでにやっておけ。
そして始まった本試験。
僕は解答用紙を見て愕然としました。
計算は2問形式。フォーマットは全く同じ。そして、簡易と原則を選べと書いてある。
今までの過去問は、その判定はさせるにしても、ある程度簡易か原則かの誘導が解答用紙の中にあったと思うのです。
よって、受験生が簡易か原則かで悩んでしまうような問題は、僕は全額控除と双対を成す消費税法試験のタブーと考えていました。しかし、さすがはそのタブーの片方を去年平然とやってのけた試験委員。さすがというかなんというか…。
こうして僕は、原則簡易の判定が平易であることを祈りつつ、開始の合図を待ちました。
そして、ついに運命の時間が開始。まずは理論のチェックです。
解答用紙からも、今年は事例問題が少しいつもと違うことは感じ取れました。そして問1。でた、改正項目モロ。これは外したらやべぇなと思いつつ、計算に移ります。
ちなみにぱっと見では判断が付かなかったのでとりあえず前からやりました。
課税売上高が5千万ギリギリなのもヤラシイなと思いつつ、冷静に解いたつもりでしたが、僕はここで3つのミスを犯しています。
まずは納税義務の判定で、売上返還を非課税と見誤って、(54,113,180-571,200)×100/108としてしまったこと。これは別に最終値は変わらないにしてもアウトとみなして、減点しました。
そして、当期の売上返還も、問題文にははっきりと仮受消費税額は…と書いてあるのに、損益計算書の数字を持っていき損ねました。
そして1番悔しかったのは、負担付贈与を見逃したことです。問題文を全部読めば絶対に拾える感覚は持っていたのに、問題文をよく読まずに簿価を使ってしまいました。
どうりで、緊張で手が震えて100÷108が打てねぇなと思っていたら、結構なケアレスを量産してしまっています。
そして、解答欄が足らなかったので3以上特例は省略してしまいました。
もちろん、どの組み合わせが対象になるかは示しましたが、一応検算したら原則が最大になったので、計算式は示さずに進めてしまった次第です。
大原だとこれは3点の失点になり、問1だけで10点の失点をしたことになりますが、ここは多少温情があると考えています。
簡易は納付額一致を狙うべきだと思ってたのに、とても残念。
続いては問2。問題は納税義務です。
僕は、増資の日が示されていないことについてはあまり気にせずに進めてしまいました。「10月から」と言った以上は1日からと考えるしかないと思ったからです。
そして課税売上高を計算して愕然とします。5千万以下じゃん!なんてヤラシイことをするのだろうか。そう思いながら固定資産を探します。
そしたら、あるじゃんあるじゃん、1億超えのルーキーが。
意気揚々と高額特定資産の特例規定を判定欄に記入します。そして、解答欄にみっちり、簡易課税制度選択届出書の提出がなかったものとみなすことを書いたあたりで、はたと気付きます。
これ…新設法人の調固の方なんじゃ…。
新設法人の調固の方が優先規定なのは明確。どうしようかと思いましたが、僕は、ここはこだわるべきと判断しました。しかし、解答欄をだいぶ使ってしまったので、そのまま斜線で消すのは勿体無いと思い、気付きのプロセスをアピールしようと考え、高額特定資産のコメントは消さず、その下に新設法人のコメントを書いて、「こちらが優先規定」と注意書きまで書いてやりました。点、くれよな。
問2の原則計算は好調で、損害賠償金でちょっと悩んで、まぁ損害賠償金扱いの方だろうなとは思ったのですが、どうせ納付額まで合わんだろうし、入れちゃえと思って課税仕入れに入れちゃいました。
もし、これが課税仕入れ扱いなら、簡易はズタボロでしたが原則は納付額一致です。大原基準でだけど。
そんなこんなで、計算は70分ほどで終了。理論をざっと読んで、いつもの通り事例から回答に入ります。
ここで、理論の致命的ミス。
今年こそ事例の結論ミスはやるまいと思っていたのですが、⑴は納税義務に引っ張られて、課税の対象かどうかで解答を作ってしまい、5点を落とすことになりました。
しかも色々シミュレーションして、国外取引はやはり例外なく課税対象外と考え、勇気の(正)。
しかしこれについてはケアレスミスと言えるのかどうか…。解答速報が出てからも、解釈の違いがあるだろうとか考えて、自分のミスを認められなかったので、この問題の真意に気付けなかったのは、ケアレスミスではなく修行不足と言っても過言ではないかもしれません。
むしろ、大原側でもこれには解釈違いが生じる可能性を示唆していたのは救いでした。ここは配点が低くなることを祈りたい。
問1については、⑴はほぼ網羅。⑶は特定役務の提供も書きました。
⑵は、納税義務に固執して仕入税額控除に触れることができなかったことや、特定課税仕入れをした時点で納税義務は確定するよなぁと思いながらも、ちょっとでもそれをコメントしなかったことは悔いが残りますが、まぁぼちぼちの解答をしたかなと思います。
最後に作文したとこなので、免税だと成立しなくなっちゃうけど、基準期間の課税売上高に特定課税仕入れに係る支払対価は含まないから気を付けようぜとか、よくわからんことまで書きましたが、なんかTACではそれも加点要素っぽいですね。
そんなこんなで試験は終了。
今年も悔いが残る試験でしたが去年よりはマシな答案が作れたかなと思います。
簡易課税特例の省略により、
大原速報では、ジャストボーダー
TAC速報では、ボーダー+5。
正直、もっと取れなきゃいけなかったとは思いますが、あとは神に祈るしかありません。
でもジャストボーダーにしては、新設法人の調固取得を拾ってるあたり、良い答案じゃねぇかと思ってます。
その解答欄、ぐっちゃぐちゃですけどね。
皆が取れない論点を拾うくせに、ケアレスでボーダーラインに落とされる様を、「クッパ倒した後にクリボーにやられる」と表現したところ、「結局、全国的に1番人を殺してるのはクリボー」とコメントした友人には、「本日の言い得て妙賞」を差し上げたい。
これ、相続もやる?もう疲れちゃった。
【消費税法】直前予想公開模擬試験 結果報告
第67回本試験前、最後の更新となります。
直前予想模試の結果は下記の通り。
理論…38/50 13.29%
計算…37/50 15.36%
合計…75/100 12.60%
感覚的にはもうちょいいったつもりでしたが、まぁ十分及第点です。
計算の納税義務で税抜評価を間違えなければ1割に乗ったかなぁ。
多少ミスしても合格確実ラインに乗るくらいの勢いで、今年はいきたいです。
それでは皆さま、ご武運を。
全員ブチのめす!!!
【22,222PV】合格のジンクス
本日、ブログが22,222PVを達成しました。
別に普段なら報告するほどの数字ではないのですが、ちょっとした因縁を感じたので記事にしたいと思います。
22222。
そんなとこに着目するのかよという話ですが、税理士試験の願書を書く時に、合格済の科目は区分「2」と記載します。
つまり、2が5つというのは…。
この最終局面にきて思うのは、合格レベルまで来たらもうあとは当日の精神状態とか、運とか、そういうことだと思ってます。
直近の模試の成績を鑑みたら、その力が本番で出せればまず受かるでしょう。しかしそれは、なんてことのない論点でのケアレスミスによる不合格と、紙一重の世界と言えます。
だから最後の最後には、自分は受かると盲信することも大事かなと。
ジンクスはそれだけではありません。
今までの合格科目は全て、全統の成績がA以上でした。
去年ダメだった消費税法ですが、講師からは受かる受かると言ってもらってましたが、全統の成績はBでした。
今回は相続税法がA、消費税法がAAですから、期待が持てます。
さらに、去年は2年間担当をしてくれた法人税法の講師が退職をされました。
法人税法はその年に受かりました。
今年は、相続税法の講師が今年で退職をされることが、なんと昨日判明しました。
さらに、こじつけかもしれませんが、僕の消費税法の担当講師は別の方ですが、その講師は消費税法と相続税法の兼任で教えられている方なのです。
うーん、この…。
まぁ、休憩がてらそんな記事を書いてみたところで、勉強を再開したいと思います。
【相続税法】直前予想公開模擬試験 結果報告
ラストスパートです。
もう3回分一気にいきます。
第1回直前予想公開模擬試験
理論…30/50 47.83%
計算…37/50 54.80%
合計…67/100 51.03%
第2回直前予想公開模擬試験
理論…39/50 20.72%
計算…45/50 5.27%
合計…84/100 7.90%
第3回直前予想公開模擬試験
理論…36/50 24.31%
計算…39/50 4.31%
合計…75/100 10.58%
第1回は何かの間違いであって欲しかった。
でも前向きに考えよう。
第2回以降、ゾーンに突入したのだと。
ここまできたらあとは天命。
今年で受かり切る運命を持っているかどうかです。
乞うご期待!
【消費税法】全国統一公開模擬試験 結果報告
本日、消費税法の直前予想公開模擬試験でした。
これで、全ての模試が終了。今年で決着がつけば、大原で受ける最後の模試です。
そして、気になる全統の結果が返ってきました。
理論…26/50 23.37% A
計算…43/50 7.43% AA
合計…69/100 13.73% AA
簡易課税は2回も計算し直して完答を狙いにいったのに、納付額を外したり、理論で壮大な読み違いをしたり、この局面でコケた感の強かった消費税法でしたが、蓋を開ければ理想的な点数でした。
相続税法同様、どハマりというわけでもなく、悔しいミスも内包しつつで2割をキープできているなら、かなり見込みがあるのではなかろうか。
そして、恐らくですが両科目ラストの模試は突き抜けた感があります。
納税義務判定の数字が税抜なの、気付いてなかったけどな!!バカヤロウ!!
目指せ、3年官報合格。
【相続税法】全国統一公開模擬試験 結果報告
ホーム戦、大原の全国模試の結果が返却されました。
理論…43/50 25.22% A
計算…35/50 12.74% A
合計…78/100 15.89% A
結論としては理想的な結果です。
どハマりしたわけでもなく、しょーもないミスもありました。
あと数点伸ばせる余地を残して、この水準に入れたなら、なんとか相続税法も合格レベルに仕上がってきたんじゃないかと。
問題なのはこの後の直予①で平均を取ってしまったこと。でもラストの直予②と直予③は割と好成績な気がしてるのですが…。どうだろう。
消費税法も割と高次安定ですが、たまにくずれるのが不安です。全統の結果はまだですが、全統の理論は焦ってちょっと崩れたかなぁ…。
官報は見えてきましたが、確実な世界はどこにもなく…。精神的には踏ん張りどころですネ。
ラスト1週間とちょっと、のらりくらりと整えていきます。